Tsunami 2004


2004年12月28日。タイ南部カオラック。

「すでに遺体の腐敗が激しい。酷い匂いで時々目眩がする」

疲れ果てた表情でルバ医師が言った。
津波の被害が最も大きかったカオラックの寺院には、次々と遺体が運び込まれている。
この日だけで、500体以上の遺体が寺院に運び込まれていた。
ルバ医師はDNA鑑定の為に、遺体から髪の毛や骨などを採取する。
周りには遺体が無造作におかれ、山のように積まれた棺の隙間で、ボランティアたちが休憩をとっていた。

翌年1月3日。タイ南部での津波による死者は5046人、行方不明3810人と発表された。

「私の娘を見かけませんでしたか?」

ドイツから来た年老いた親子が、娘の写真を持ちながら、恐る恐る一体ずつの遺体を確認している。
しかし外国人の遺体は、ビニールシートに包まれ、ドライアイスでかろうじて保存されている状態だった。
すでに性別も判断できない遺体も多い。
老夫婦は諦めたのか、しばらくして去っていった。

 

 





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